Bark at Illusions Blog

── Media Watchdog Group

2022-01-01から1年間の記事一覧

日本の安全保障環境の認識から問い直せ

世論調査(NHKニュース7、22/12/12;毎日、22/12/19;朝日、22/12/20など)によれば、過半数の人が他国の軍事関連施設への攻撃が可能な「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を支持している。またNHK(同)や毎日新聞(同)の調査では、岸田政権が計画する軍…

日本の安全保障政策の大転換だというのに、焦点は軍拡のための財源か

日本のさらなる軍事大国化へ向けて、岸田政権が今後の安全保障政策の指針や計画を定めた安全保障関連3文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)を閣議決定した。国外にある他国の軍事関連施設への攻撃が可能な「反撃能力(敵基地攻撃…

問題は日本が「弱すぎること」だと言って日本政府の軍拡を後押しするニュースウオッチ9

「反撃能力」(「敵基地攻撃能力」)の保有や5兆円規模の軍事費増額など、岸田政権と自民公明与党が戦後最大の大軍拡を図っている。憲法との整合性や、日本の軍拡が地域情勢に与える影響、それに社会保障費を毎年削減して庶民の暮らしを苦しめている厳しい財…

軍拡よりも人々の生活のために金を使え

国連総会第3委員会は先月、朝鮮の人権状況を非難する決議を採択した。日本や欧米諸国などが共同提案国となったその決議の中で、「人民の福利よりも核兵器や弾道ミサイルの追及のために資源を流用している」と言って朝鮮政府を非難している。しかし「人民の福…

バイデンは中国の「レッドライン」を探るよりも米中共同コミュニケを遵守しろ

インドネシアのバリ島で、合衆国のジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席が対面では初めてとなる首脳会談を行った。米中の対立構図が鮮明になる中、会談では両国間の経済・貿易に関する問題や台湾情勢、気候変動の問題、ウクライナや朝鮮半島情勢な…

朝鮮のミサイル発射だけでなく、朝鮮に対する軍事的圧力を強める日米韓の強硬姿勢を問題にしなければ朝鮮半島に平和は訪れない

大規模な野外演習を4年ぶりに復活させて行われた米韓合同軍事演習(8月22日~9月1日)や、日本海で5年ぶりに米軍の原子力空母を動員して行われた米韓合同軍事訓練(9月26日~29日、10月7日~8日)、日米韓による日本海での対潜水艦戦訓練(9月30日)やミサイ…

庶民の負担を増やさずとも、国庫負担の増額で社会保障制度は持続可能だ

記録的な円安や原油高などによる物価高騰が庶民の生活に打撃を与える中、今年4月に年金の受給額を減額し、10月からは75歳以上の医療費窓口負担を倍増させた日本政府は、さらに医療・年金・介護の社会保障分野で庶民の負担を増やそうとしている。

朝鮮のミサイルが日本の「上空」を通過したと騒いで朝鮮の「脅威」を演出する日本政府とマスメディア

朝鮮が先月4日に日本列島を横断する形で弾道ミサイルを発射させた際、日本政府やマスメディアは大騒ぎをした。日本政府は全国瞬時警報システム「Jアラート」を鳴らして避難を呼びかけ、テレビ局は番組を中断して関連のニュースを放送。その結果、一部の交通…

「汚い爆弾」 ロシアの主張は虚偽で、日米欧やウクライナの主張は正しいと判断する理由は何か

放射性物質を撒き散らす「汚い爆弾」をウクライナが使用する可能性があるというロシア政府の主張について、日本や欧米では、ロシアが自作自演で「汚い爆弾」を使用し、その責任をウクライナに押し付けて戦争拡大の口実にするための偽情報だという見方が広が…

「反撃能力」保有や軍事予算の増額で日本の安全は守れない

日本政府は、安全保障環境の変化を口実にして大規模な軍拡を急いでいる。2012年の自民党による政権奪還以来、軍事費は毎年増額を続け、集団自衛権を容認する安保法制の制定や日米 “同盟” のさらなる連携強化、南西諸島の軍事要塞化など、既に著しい軍事力強…

朝鮮の「挑発」を止めたいなら、日米韓が先に挑発をやめてはどうか

朝鮮半島の緊張が再び高まっている。合衆国と韓国は今年8月、2018年の米朝首脳会談(シンガポール)以降規模を縮小して行ってきた米韓合同軍事演習を「正常化」させ、大規模な野外機動演習を交えて実施した。また9月後半にも、日本海で米軍の原子力空母や韓…

中国も太平洋の島嶼国も、南太平洋を対立の舞台にすることは望んでいない

合衆国政府が、米中の対立を南太平洋にも持ち込もうとしている。バイデン政権は、今年6月に日本・英国・オーストラリア・ニュージーランドと共に設立した太平洋地域の新たな枠組み「ブルーパシフィックにおけるパートナー」の初の外相会合を9月22日にニュー…

即時停戦を求めることは、ウクライナ侵略を容認することでもロシアを支持することでもない

ロシアによる侵略が続くウクライナでは、ロシアに占領された地域の一部をウクライナ軍が奪還したと伝えられるなど、欧米の支援を受けたウクライナが反転攻勢を強めているようだ。ウクライナ政府は2014年にロシアが併合したクリミアも含め、全ての領土をロシ…

沖縄県知事選挙の結果を無視するNHK

NHKの主要ニュース番組は、沖縄県知事選の結果を無視した。NHKニュース7は選挙当日までは沖縄県知事選のニュースを何度か伝えていたが、投票日の翌日、辺野古新基地建設反対を掲げる玉城デニー知事が再選したことを伝えるのを怠った。ニュースウオッチ9(22/…

制裁緩和やアフガニスタンの資産凍結解除を求める国際機関やNGOの声を無視するマスメディア

米軍のアフガニスタン撤退とタリバンの政権奪取から1年が過ぎた。1年前に予測された通り、経済制裁と合衆国政府によるアフガニスタン中央銀行の資産凍結によって、アフガニスタンは深刻な社会的・経済的危機に陥っている。国連によると、アフガニスタンの約1…

韓国の政権が変わっても、大日本帝国時代の被害者救済の責任は日本にあることに変わりはない

韓国の政権交代が日韓関係改善のきっかけにならないか。日本政府やマスメディアは、今年5月に就任した韓国のユン・ソンニョル大統領の言動に注目している。大日本帝国時代の性奴隷や強制労働の被害者の問題で、ユン政権は被害者の立場にも理解を示していたム…

イスラエルによるパレスチナ侵略のニュースで改めて示されたマスメディアの露骨な二重基準

「差し迫った脅威」に対する「対テロ作戦」と称して、イスラエルがパレスチナのガザ地区を空爆した。反撃したパレスチナ・イスラム聖戦との停戦合意成立で戦闘は3日間で終了したが、少なくとも子ども15人を含む44人のパレスチナ人が殺害された。犠牲者が “価…

ペロシの台湾訪問は、地域の平和と安定を害するものだった それが問題だ

台湾周辺の軍事的な緊張が高まることが確実視されていたにもかかわらず、合衆国のナンシー・ペロシ下院議長は台湾への訪問を強行した。ペロシの台湾訪問後、中国は直ちに台湾を取り囲む形で大規模な軍事演習を行い、台湾に対する事実上の経済制裁や、米軍高…

国際法を無視した他国領土でのタリバン指導者暗殺をバイデンの成果として伝えるマスメディア

合衆国政府は、テロ組織アルカイダの指導者であるアイマン・ザワヒリ氏をアフガニスタンのカブールで無人機(ドローン)による空爆により殺害したと発表した。他国の領土における超法規的な殺人は明白な国際法違反だが、マスメディアにはそのような認識は全…

ニュースウオッチ9がインタビューしたヌーランドには要注意

ニュースウオッチ9(22/7/26)は、ウクライナ情勢や中国との関係について、来日中のビクトリア・ヌーランド合衆国国務次官への独占インタビューを行った。

合衆国の同盟国による国際法違反や人権侵害は、バイデンやマスメディアにとって問題にならない

合衆国のジョー・バイデン大統領が、就任以来初めて西アジアを訪問した。イスラエル、イスラエル占領下のパレスチナ、それにサウジアラビアを訪れた今回のバイデンの旅行は、バイデン政権が重視しているという人権や表現の自由、法の支配といった価値観が、…

台湾有事で日米が軍事介入なら、それは国際法違反

ロシアによるウクライナ侵略が台湾情勢に与える影響について懸念する声がある。例えば、岸田文雄総理大臣は現在のウクライナ情勢は「明日の東アジア」だと繰り返し述べて、中国による台湾の武力統一などを念頭に、国際社会がロシアの蛮行を許せばアジアでも…

日本の “防衛力” 強化は日本を守るためではなく、合衆国の覇権のための戦争準備

ロシアによるウクライナ侵略を受けて、一部の国家や地域で軍拡に向けた動きが強まっている。日本も、先月の日米首脳会談の共同声明で “日米同盟” の「抑止力及び対処力を強化」を確認し、岸田文雄総理大臣は日本の “防衛力” の「抜本的」な強化とそのために…

「敵基地攻撃能力」は「反撃能力」と名前を変えても憲法違反、日本の安全も保障しない

自民党は日本政府に対して「敵基地攻撃能力」の保有や軍事費の大幅な増額などを提言した。「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換え、「相手国のミサイル基地」だけでなく「指揮統制機能等」も攻撃できる能力を保持するよう求めている。また軍事費につい…

「ロシア寄りの立場」でウクライナ情勢を伝える中国のメディアを問題視する欧米寄りのニュース7

NHKニュース7(22/4/15)は、中国のメディアがウクライナ情勢をどのように伝えているか紹介した。中国中央テレビ(CCTV)を例に、中国のメディアは「ロシアに配慮する姿勢」の中国政府と足並みを揃えて、「一貫してロシア寄りの立場でニュース」を伝え、「ア…

「国際テロリズム要覧」から名前を削除しても、アゾフ大隊がネオナチだという事実は変わらない

「ネオナチ組織がアゾフ大隊を結成した」。日本の公安調査庁は、ウクライナ軍のアゾフ大隊について、「国際テロリズム要覧2021」にこう記載していたが、4月8日に削除した。「『国際テロリズム要覧』は、内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収…

欧米のやり方は国際社会の支持を得られず、ロシアの侵略を止めることもできない

欧米諸国や日本の政府は、ウクライナに侵略したロシアを孤立させようと躍起になっている。しかし国連総会で行われたロシアに対する2度の非難決議はいずれも圧倒的多数の賛成(1回目は141か国、2回目は140か国、反対はいずれも5か国)で採択したとはいえ、棄…

「民主主義」のための戦いだと偽り、ウクライナに兵器を送って戦争を続けさせるのはやめよう

欧米や日本の政府・マスメディアは、ロシアによるウクライナ侵略を「国際秩序」に対する「挑戦」などと受け止め、「民主主義」を守るための戦いと称して、ウクライナに対するさらなる軍事支援の必要性を訴えている。しかし欧米がウクライナへの武器供給を続…

必要なのは、兵器ではなくて交渉、そして停戦だ

イスタンブールで行われた停戦交渉でウクライナ政府がロシア側の求める「中立化」を受け入れる考えを示し、ロシア政府が「信頼醸成」と停戦合意に向けた「環境づくり」のためにキエフ周辺での軍事活動を縮小すると発表するなど、停戦に向けた協議が動き出し…

軍事同盟の強化はロシアによるウクライナ侵略に対する答えではない

ロシアによるウクライナ侵略を受けて、日米の外相は「日米同盟の抑止力・対処力の強化」の必要性を再確認した。念頭には日米両政府が「民主主義国家対権威主義国家」の対立軸を設けて敵視する中国がある。また岸田文雄総理大臣は、「我が国の安全を守る日米…