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── Media Watchdog Group

2019-01-01から1年間の記事一覧

ニュースウォッチ9、社会保障費を削減して大企業のための「お小遣い」を増やすべきだと力説

安倍政権が閣議決定した来年度予算案についてのニュースを伝えたニュースウォッチ9(19/12/20)は、社会保障費を減らして大企業のための「お小遣い」を増やすべきだと主張している。

所得に応じて窓口負担を増やすのは「応能負担」ではない

政府の「全世代型社会保障検討会議」が中間報告を取りまとめ、「一定所得以上」の収入がある75歳以上の人の医療費窓口負担割合を現在の1割から2割に引き上げる方針を打ち出した。日本は高齢化による医療費の増大が今後も見込まれており、「現役世代」にこれ…

安倍晋三の誤った主張に異議を唱えるマスメディアは、またしても皆無

大日本帝国時代の強制労働者への賠償を日本企業に命じた韓国大法院(最高裁判所)の判決以来、初めてとなる日韓首脳会談が行われた。日本のマスメディアは、相変わらず安倍晋三の主張が正しいという前提でニュースを伝え、日韓関係悪化の原因となった「徴用…

ヘイトスピーチは法で規制されるべきなのか

ヘイトスピーチに罰則を科す条例が神奈川県の川崎市で成立した。長年ヘイトスピーチに苦しめられてきた被害者が求めていたことだ。ヘイトの対象となった人の恐怖や苦痛は、実際に経験しなければ計り知れないものがあるだろう。従って以下に述べることは、被…

GSOMIAの維持決定で東アジアの平和と安定は遠のいた

日本政府に対して破棄を通告していた日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、韓国政府は、「いつでも効力を終了できる」という条件付きながら、協定失効直前になって「終了通告の効力」を「停止」すると発表した。日本政府やマスメディアからは安堵…

政治スキャンダルのどさくさに紛れて

閣僚の辞任や安倍晋三らの「桜を見る会」を巡る政治スキャンダルを隠れ蓑に、国会では着々と悪法成立に向けて事が運んでいる。19日には日米貿易協定承認案や教職員給与特別措置法改定案が、懸念や不安を残したまま十分な審議が行われることなく衆議院本会議…

安倍晋三は我々のリーダーではない

安倍晋三の総理大臣在職日数が歴代最長となり、マスメディアでは安倍政権の検証が行われている。経済政策や外交、安全保障政策、社会保障政策、それに「森友・加計」問題や「桜を見る会」を巡る政治スキャンダル等々、様々な側面が語られているが、最大の問…

トリチウム汚染水を希釈して放出すれば人体や健康に影響がないという嘘に騙されるな

福島第一原発事故で増え続ける放射能汚染水の処分方法を検討する経済産業省の小委員会が18日に開かれた。原発敷地内では溶融核燃料の冷却水や敷地内に流れ込む地下水などが原因で放射能汚染水が毎日発生しており、東京電力は放射性物質の除去作業を行ってい…

「徴用工」問題:強制労働の被害者の人権に全く関心のないマスメディア

韓国大法院(最高裁判所)が「徴用工」と呼ばれる大日本帝国時代の強制労働の被害者への賠償を日本企業に命じてから1年が経った。皇室の行事で来日した韓国のイ・ナギョン首相と安倍晋三の会談が行われたこともあって、マスメディアは判決以来悪化している日…

圧力で朝鮮に核兵器を放棄させることはできない

米朝両政府は今月5日にスウェーデンのストックホルムで実務者協議を行ったが、朝鮮半島の平和と非核化に向けた道筋をつけることができなかった。もとより合衆国のドナルド・トランプ大統領の融和的な姿勢に懐疑的な日本のマスメディアからは、ストックホルム…

それは「抑止力」 「北朝鮮の脅威」をマスメディアが的確に説明

今月2日に朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行った。朝鮮中央通信(19/10/3)は発射実験に成功したと伝えているが、実際に運用するには潜水艦の性能も向上させなければならず、実戦配備にはまだ時間がかかるようだ。マスメディアなどが伝え…

ニュースウォッチ9が「慰安婦」問題を被害者の立場で伝えることになるのか注目だ

ニュースウォッチ9(19/10/4)は昨年ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ氏のインタビューを放送した。ムクウェゲ氏は紛争が絶えないコンゴ民主共和国で、脅迫や暗殺未遂にあいながらも性暴力被害者の治療や救済に取り組んでいる医師だ。まさに命がけ…

日本政府にとっては好ましかろう、NHKの日米貿易協定についての説明

国連総会に合わせて行われた首脳会談で、日米両首脳は貿易交渉の「最終合意」を確認する共同声明に署名した。新たな貿易協定では、日本が農産品の関税について環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と同水準の削減・撤廃を行う一方で、合衆国は工作機械や燃料…

再開する米朝協議で合衆国政府は「朝鮮の安全の保証」についての具体的な措置を示すべきだ

9月下旬頃に米国との協議に応じる用意があると表明した朝鮮のチェ・ソンヒ第1外務次官の談話や、朝鮮側の対米実務協議首席代表の指名、対朝鮮最強硬派だったジョン・ボルトン大統領補佐官の解任など、米朝双方の動きから、米朝の交渉再開が近いのではないか…

韓国からの批判の声は、「反日」ナショナリズムではなくて、被害者への公正な対応を求める声だ

「徴用工」を巡る日本政府の対応を批判する韓国市民の声を、日本のマスメディアは概ね「反日」だと捉えているようだ。例えば日本に対する抗議行動が続く韓国・ソウルを取材し報告したNHKのニュースウォッチ9(19/8/7)のニュースタイトルは「“反日”の韓国で …

日米韓の軍事的な連携が東アジアの平和と安定に寄与するという幻想

韓国政府が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を日本政府に通告した。GSOMIAは共有した軍事的な機密情報の保護を義務付ける協定(情報の提供を義務付ける協定ではない)だが、日本のマスメディアはそれによって日米韓の連携が弱体化し、東アジアの…

昭和天皇が「反省」していたとしても、彼が戦争責任を果たしていないという事実は変わらない

NHKは、初代宮内庁長官の田島道治が昭和天皇とのやり取りを記録した「拝謁記」を独自入手し、ニュース7は8月16日から4夜連続、ニュースウォッチ9は16日と20日にその内容について放送した。そのうちニュース7(19/8/16)とニュースウォッチ9(19/8/16)は、…

「平和の少女像」に込められている思いは何か

愛知県で開催されている国際芸術祭の企画展、「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた事件は、日本社会のいくつかの問題点を改めて示した。ひとつは、言うまでもなく日本の表現の自由の現状についてだ。かつてローザ・ルクセンブルクが語ったように…

日韓の対立で問題にすべきは、強制労働の被害者に対する日本政府の対応だ

「徴用工」を巡る問題で日韓の対立がエスカレートしている。韓国への輸出規制を強化した日本に対して韓国政府は対抗措置を発表、韓国では日本製品の不買運動も広がっている。しかし対立の発端となった「徴用工」を巡る昨年の韓国大法院(最高裁)の判決以降…

NHKの受信料を拒否する十分な理由が、我ら市民にはある

7月の参議院選挙で「NHKをぶっ壊す」ことを唯一の公約に掲げる「NHKから国民を守る党」が議席を獲得した。具体的な政策としては、料金を支払った人だけがNHKを視聴できる制度(スクランブル放送)の導入を目指しており、NHKの受信料不払いも呼びかけている。…

ジャーナリストなら「徴用工」問題の基本的な事実を無視せず伝えろ

毎日新聞(19/7/11)に歴史修正主義者のコラムが掲載されている。国家公務員共済組合連合会理事長の松元崇氏は、かつて自身が社外取締役を務めた三菱マテリアルの株主総会で聞いた、「韓国の元徴用工の人たち」は日本の炭鉱で働いていたことを「誇りにしてい…

選挙が済んだら、デモに行こう

7月21日に行われた参議院選挙は、議席の過半数を獲得した与党の勝利で終わった。しかし選挙が終わったからと言って、市民の政治的役割が終わるわけではない。市民は選挙以外にも、デモや座り込みなどによる直接行動などで政治に参加することができる。選挙だ…

河野太郎曰く、日韓請求権協定で「個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではございません」

日韓請求権協定で「個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではございません」──。日本の外務大臣、河野太郎の昨年11月14日の衆議院外務委員会での答弁だ。国家間の条約で個人の請求権は消滅しないというのは国際的な共通認識であり、そのことは河野太郎に…

「増税やむなしの空気」を作り上げてきたマスメディア

毎日新聞(19/7/3夕刊)は、消費が落ち込むのを承知で消費税増税に踏み切ろうとしている日本社会を、合理性に優越して日本人の判断を拘束するといわれる「空気の支配」について山本七平が論じた際に例に挙げた戦艦大和の無謀な出撃に擬え、現在の日本人は「…

「日米同盟」破棄がトランプへの答えだ

合衆国のドナルド・トランプ大統領が、日米安全保障条約は合衆国が一方的に義務を負う「不公平」なものだと主張して、その見直しに言及した。日本政府やマスメディアは、日米安保条約は片務的なものではないと反論し、「日米同盟」の重要性を強調しているが…

合衆国による宇宙の軍事力強化は中国やロシアへの対抗措置だというプロパガンダに騙されるな

NHKニュース7(19/6//23)は、合衆国が「中国やロシアに対抗」して「宇宙での軍事力強化」を進めており、宇宙での軍拡競争の懸念が強まっていると伝えている。ニュース7は、合衆国による宇宙の軍拡は中国やロシアへの対抗措置だと主張する合衆国政府の見解を…

年金問題でNHKは公共放送としての責任を果たせ

金融庁の審議会の報告書で老後2000万円の資産が必要だという試算が行われていたことが発端となり、老後の生活への不安がクローズアップされている。政府は報告書の内容は国民に「誤解」を与えるとか「不適切」だと言って報告書の受け取りを拒否して議論を避…

日米首脳会談で米軍基地問題を議論しなかった安倍晋三、それを問題にしないマスメディア

日米首脳会談で、「強固な日米同盟」を強調した安倍晋三。しかしその「日米同盟」の要である在日米軍基地の問題は会談で議題にはならなかったようだ。基地の存在に周辺住民は長年苦しめられており、日米地位協定の改定を求める声も強まっている。とりわけ沖…

何べんでも言うが、日韓請求権協定で「徴用工」問題は解決していない

韓国大法院(最高裁)が日本企業に元「徴用工」への賠償を命じた問題で、日本政府は韓国政府に対して第三国を交えた仲裁委員会を設置するよう要請した。日本政府は日韓請求権協定で問題は解決済みだと主張して韓国政府に問題解決の責任を押し付けているわけ…

ジャーナリズムの程度が知れる マスメディアのジュリアン・アサンジ逮捕の伝え方

米軍の戦争犯罪の証拠など市民社会に有益な情報をリークしてきたウィキリークスの創設者・ジュリアン・アサンジが英国警察に逮捕された。合衆国に送還されれば拷問や終身刑を受ける可能性のあるアサンジに亡命を認めていたエクアドル政府は、彼を保護してい…