Bark at Illusions Blog

── Media Watchdog Group

それは「抑止力」 「北朝鮮の脅威」をマスメディアが的確に説明

 今月2日に朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルSLBM)の発射実験を行った。朝鮮中央通信(19/10/3)は発射実験に成功したと伝えているが、実際に運用するには潜水艦の性能も向上させなければならず、実戦配備にはまだ時間がかかるようだ。マスメディアなどが伝えるところでは、朝鮮のSLBMが運用可能になれば、「北朝鮮の脅威」は高まるのだという。その理由について、マスメディアは的確な説明をしているが、それは同時に私たちがどんな世界に住んでいるかを考える上でも示唆的なものだ。

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ニュースウォッチ9が「慰安婦」問題を被害者の立場で伝えることになるのか注目だ

 ニュースウォッチ9(19/10/4)は昨年ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ氏のインタビューを放送した。ムクウェゲ氏は紛争が絶えないコンゴ民主共和国で、脅迫や暗殺未遂にあいながらも性暴力被害者の治療や救済に取り組んでいる医師だ。まさに命がけで活動を続けるムクウェゲ氏の言葉に、インタビューを行ったキャスターの有馬嘉男も心を動かされたようだ。

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日本政府にとっては好ましかろう、NHKの日米貿易協定についての説明

 国連総会に合わせて行われた首脳会談で、日米両首脳は貿易交渉の「最終合意」を確認する共同声明に署名した。新たな貿易協定では、日本が農産品の関税について環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と同水準の削減・撤廃を行う一方で、合衆国は工作機械や燃料電池などの工業製品の関税を削減・撤廃する。日本側が求めていた自動車とその関連部品の関税撤廃は無期限で先送りされることになったが、安倍晋三は会談後の記者会見で日米双方が利益を得る「ウィンウィン」の協定だとアピールしている。TPPでは日本の対米輸出額の4割弱を占める自動車分野の関税撤廃が盛り込まれていたというのに、それを行わずに農業分野で合衆国に対して国内市場をTPP並みに開放することのどこが「ウィンウィン」の合意だと言うのか。

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再開する米朝協議で合衆国政府は「朝鮮の安全の保証」についての具体的な措置を示すべきだ

 9月下旬頃に米国との協議に応じる用意があると表明した朝鮮のチェ・ソンヒ第1外務次官の談話や、朝鮮側の対米実務協議首席代表の指名、対朝鮮最強硬派だったジョン・ボルトン大統領補佐官の解任など、米朝双方の動きから、米朝の交渉再開が近いのではないかとの見方が強い。果たして停滞していた協議が再開し、両政府は朝鮮半島の平和と非核化に向けた道筋をつけることができるのか。マスメディアの報道を見ていると焦点を見誤ってしまいそうだが、米朝交渉を進めるためには、合衆国政府が「朝鮮の安全の保証」を如何に提供するかを検討する必要がある。

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韓国からの批判の声は、「反日」ナショナリズムではなくて、被害者への公正な対応を求める声だ

 「徴用工」を巡る日本政府の対応を批判する韓国市民の声を、日本のマスメディアは概ね「反日」だと捉えているようだ。例えば日本に対する抗議行動が続く韓国・ソウルを取材し報告したNHKニュースウォッチ9(19/8/7)のニュースタイトルは「“反日”の韓国で いま何が」だったし、韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)離脱を伝えるニュースの中でも、「韓国政府によるGSOMIA破棄は、韓国国内の反日世論や内政問題をにらんだものだった」(毎日19/8/25)とか、「反日のために軍事情報を犠牲にしたと批判されても仕方あるまい」(日経19/8/24社説)と述べるなど、「反日」という言葉が目立つ。しかし日本企業に「徴用工」への賠償を命じた昨年10月の韓国大法院(最高裁)の判決も、それに反発する日本政府に対するムン・ジェイン政権の毅然とした態度も、大日本帝国時代の強制労働の被害者への謝罪と賠償を日本側に求める韓国市民の抗議の声も、いずれも正当なものだ。

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