Bark at Illusions Blog

── Media Watchdog Group

マスメディアによる免罪が、イスラエルによる占領と暴力が続くのを許している

 イスラエルが先週、パレスチナのガザやレバノン南部を空爆した。マスメディアはハマスイスラエルにロケット弾を撃ち込んだことへの報復だと説明し、イスラエルパレスチナを占領しているという基本事実すら無視して、イスラエル国際法に照らして批判することを避けている。

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日米韓が共有する「価値観」を改めて示した韓国政府の「解決策」とその後の動き

 大日本帝国時代の強制労働被害者の賠償を巡る問題で、韓国政府が「解決策」を正式に発表した。2018年に韓国大法院(最高裁)が日本の被告企業に命じていた賠償金の支払いを、韓国政府傘下の財団が肩代わりするのだという。日本政府は「日韓関係を健全な関係に戻すためのもの」だと評価。その後行われた日韓首脳会談では両国の首脳が定期的に相互訪問する「シャトル外交」の再開で合意するなど、「解決策」の発表をきっかけに日韓は関係改善に向けて動き出した。しかし加害者による謝罪もなく、第三者が賠償を肩代わりするという韓国政府の「解決策」は、日韓の政府間や経済界の関係改善のための「解決策」であって、当然ながら、本来解決されるべき強制労働被害者の救済という問題そのものが解決するわけではない。

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岸田文雄提唱の「アジア・ゼロエミッション共同体」は脱炭素を目指す世界に逆行している

 岸田文雄総理大臣が提唱したアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の初めての閣僚会合が、今月4日に東京都で開催された。アジア地域の経済発展と脱炭素の両立などを目指すというAZECについては、環境問題に取り組むNGOなどから批判されているが、マスメディアはその問題点を指摘することを怠った。

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軍事支援ではなく停戦や和平交渉を求める世論が沸き起こるのを妨害するマスメディア

 中国政府が「ウクライナ危機」に対する中国の立場を示す文書「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」を発表した。文書は停戦や和平交渉などを求める中国のこれまでの基本的な考え方を改めて示したもので、和平を実現するための具体的な提案を行っているわけではないが、王毅中国共産党政治局員が先月ロシアを訪問してウラジミール・プーチン大統領と会談するなど、中国は外交活動も活発化させており、和平を実現させるうえで今後中国が重要な役割を果たす可能性はある。しかしマスメディアは、そうした可能性については全く興味を示さず、逆に中国の発表した文書が如何に無意味であるか、あるいは文書に記された内容と実際の中国の行動が如何に矛盾したものであるかを示そうと一生懸命だ。

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朝鮮半島の緊張を高めているのは、朝鮮のミサイルだけか

 朝鮮の弾道ミサイル発射を、日本や合衆国、韓国、国連、マスメディアなどが非難している。朝鮮は今月18日に軍事訓練で大陸間弾道ミサイルICBM)1発を発射し、その翌々日にも射撃訓練で短距離弾道ミサイル2発を発射した。今回の朝鮮のミサイル発射が、朝鮮半島の緊張を高めることは間違いない。しかし朝鮮半島の緊張の増大は、敵対し合う朝鮮と日米韓双方によるものであり、朝鮮の軍事行動だけを非難するのは公平性に欠ける。

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