ニュースウォッチ9:合衆国政府の武力行使が自衛権に当たるかどうかは「難しい判断」
ニュースウォッチ9(17/4/10)は、合衆国によるシリアへの攻撃の正当性について疑問視し、国際法で武力行使が認められるのは、国連安全保障理事会の承認がある場合か、自衛権の行使による場合に限られていることについてもしっかり確認していた。ただ、残念なのは、今回の合衆国政府の武力行使が自衛権に当たるかどうかについて、判断が難しいと述べてニュースを終えていることだ。
国際法は、急迫不正な侵害があり、その侵害を排除する上で他に手段がない場合に、必要最小限度の実力行使を行うことを自衛権として認めている。
ニュースウォッチ9は、合衆国政府が、
「化学兵器の使用と拡散を防ぐことは、アメリカの安全保障上の重要な利益……シリアが化学兵器を使っているのは、アメリカが同盟国の脅威となっている」
と主張していることを紹介した上で、
「(合衆国の武力行使が)自衛権に当たるかどうかについても、実は疑問だという声が上がってるんですね。実は国際法の専門家の間でも意見が分かれるんです」、「それだけ攻撃の判断の是非、難しい判断だということですね」(キャスター、有馬嘉男)
と述べている。
しかし、化学兵器を誰が使用したかについては、まだ明らかになっていない。また、シリアは、「アメリカ」や、その同盟国を侵害しているわけではない。合衆国政府の武力行使が自衛権に当たらないことは明白ではないだろうか。