Bark at Illusions Blog

── Media Watchdog Group

朝鮮半島を非核化するには、合衆国の対朝鮮敵視政策の撤回が必要だ

 巡航ミサイルに戦術誘導ミサイル。朝鮮が立て続けにミサイル実験を行った。マスメディアは、その直前まで行われていた米韓合同軍事演習については、同じように朝鮮半島の緊張を高める行為であるにもかかわらず全く問題にしなかったくせに、朝鮮のミサイル実験については、「北朝鮮の挑発 同じ愚を繰り返すのか」(朝日、社説、21/3/26)、「北朝鮮がミサイル発射 挑発では状況変えられぬ」(毎日、社説、21/3/26)などと非難している。しかし朝鮮に対する合衆国の軍事的行動を不問にして朝鮮の軍事的行為だけを問題にしていては、いつまでたっても朝鮮半島の非核化は実現しないだろう。

続きを読む

ルールに基づく世界の秩序を脅かしているのは合衆国だ

 合衆国のバイデン新政権が、中国に対する強硬姿勢を鮮明にしている。今月3日に公表した「国家安全保障戦略暫定指針」では、「中国は、安定し開かれた国際システムに継続的に挑戦するために経済・外交・軍事・技術力を結合する潜在的能力のある唯一の競争相手」だと指摘し、同盟国との関係強化によってこれに対抗する方針を表明。その後、「クアッド」と呼ばれる日本・合衆国・インド・オーストラリア4カ国による首脳会合、日米外務防衛閣僚会合、米韓外務防衛閣僚会合、北大西洋条約機構NATO)外相会議などを立て続けに行い、中国包囲網の構築に奔走した。さらにジョー・バイデン大統領は25日に行われた記者会見で、米中の対立を「民主主義と専制主義の闘い」と形容し、「民主主義」を守るために同盟国の連携強化が重要だと主張している。

続きを読む

NHKは国際法やイラン核合意を理解しているのか

 イラクに駐留する米軍基地が攻撃された報復措置として、合衆国政府は先月25日、シリア東部にある民兵組織の施設を空爆した。国連安保理の承認もなく、差し迫った軍事的脅威のない状況での軍事力行使は国際法違反だが、NHKニュース7(21/2/27)は、イラン核合意を巡るイランと合衆国の「駆け引き」の一環としてニュースを伝え、「核開発を加速」するイランへの対抗措置だと説明している。

続きを読む

核合意を離脱した合衆国に、イランに対して条件を付ける資格はない

 イラン核合意を破ってイランに対する経済制裁を続ける合衆国への新たな対抗措置として、イランは核合意で求められている国際原子力機関IAEA)の追加議定書の履行を停止した。これによって、イランに対するIAEAの抜き打ち検査ができなくなる。IAEAとイランは協議の結果、イランの追加議定書履行停止後も、IAEAが必要な検証・査察活動を3ヶ月継続することで合意したが、欧米やマスメディアなどはイランの核開発が不透明になると心配している。

続きを読む

日韓関係 問題は司法に対する認識の違いではなく、人権に対する認識の違いではないか

 毎日新聞論説委員・澤田克己(毎日21/2/18)は、「[司法判断と日韓関係]認識差、冷静に直視を」と題する論説記事で、日本政府に対して大日本帝国時代の性奴隷被害者への賠償を命じた今年1月のソウル中央地裁の判決が、「国家は他国の裁判所に裁かれない」という「主権免除」の「原則」を認めなかったことに「日本は強く反発している」と述べて、韓国の司法判断を問題視。そして背景には「司法が果たすべき役割についての両国の認識の違いがある」と分析し、その起点は「1987年の民主化に伴う韓国社会の意識変化にある」と指摘する。

続きを読む