マスメディアは朝鮮政府の主張にも耳を傾けるべきだ
ベトナムのハノイで開催された2回目の米朝首脳会談で、両首脳は朝鮮半島の平和と非核化に向けて具体的な成果を上げることができなかった。マスメディアの多くは合衆国側の主張をそのまま真実として受け入れ、合意に至らなかったのは朝鮮政府が一部の核施設の廃棄だけで、完全な制裁解除──あるいは事実上、完全な制裁解除──を要求したからだと説明して、会談が物別れに終わった責任の大部分を朝鮮側に押し付けている(実務レベルでの協議を省いて首脳同士で解決を図る「トップダウン方式」の外交の限界や、「安易な妥協」をしたと批判されることを恐れたトランプが朝鮮に譲歩できなかったということを指摘しているものも多数あるが、いずれも朝鮮側が最小限の非核化で最大限の「見返り」を得ようとしたということが前提になっている)。マスメディアが合衆国に好意的な世論を創り出すためのPR(=プロパガンダ)機関ならそれでいいかもしれないが、真実を追及することがマスメディアの仕事であるならば、朝鮮側の主張にも真剣に耳を傾けるべきだ。
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